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昔、車の製造工場で働いていた。 3交代制のきつい仕事だ! ベルトコンベアーで流れてくる車の型に ドリルで穴を開けたり、ネジを締めて部品をつけたりしていく、 なので、工場内は、ドリルの音でかなりうるさい。 よって、耳が悪くなるので、耳栓を装着することを義務づけられていた・・・ だから、隣の人と話すことさえできない、 唯一、コミュニケーションがとれるのが 15分の休憩の間の静かな間だけ、 実際は全員疲れ果ててるので、会話も聞こえてこないが・・・ 工場内は数百人収容されているが、 全員同じ格好をして、全員同じように耳栓をしている。 だが、一か所だけ一人一人が違うところがある、 それは、帽子に記入されている番号だ。 たしか、5桁の数字だったと思う・・・ 番号を付けてる理由は簡単だ! もし、隣のヤツが機械にでも巻き込まれて ぐちゃぐちゃにでもなってしまうと、どこの誰だか、さっぱり判らない。 よって、判別するためにも番号が必要だってこと・・・ そんな、シェルターが巨大な敷地内に数十か所ある。 そして、ご飯休憩になると各シェルターから一斉に 食堂に向かって数千人の労働者が歩いて出てくる。 その光景を、二階の窓から一度、見たことあるのだが、 まるで巣から出てくる蟻の行列だった・・・ そんな工場で、いま働いているっていう若者に出会った。 もともと、介護の勉強をしたのち、 老人ホームに就職して働いていた若者だ。 なにがあったのかは、解からないが、 久しぶりに会ったら、職を変えたって聞かされた・・・ 僕も、いろいろな職を経験してきたが、 ひとつだけ言えるとしたら、工場勤務の経験は 長い人生にとって貴重な経験になってるってこと! なぜなら、 チャップリンの『モダンタイムス』も格別な思いで鑑賞できるようになるし、 その状況が、最も自分の人生に対して自問自答することが出来た きっかけにもなったから・・・ 老人ホームでの介護職、本当にすばらしい職業だと思う。 だけど、現実はびっくりするぐらい給料は安いし、労働条件も良くない。 最初から、やりがいや生きがいだけで続けていける そんな素晴らしい人間もいるだろう・・・ だけど、大多数の人間にとっては、 自分の人生に対して自問自答する期間がひつようだ・・・ 自問自答してそれなりの答えを見つけてから、 本当の意味で、自分の道を歩き始めればいいとおもう。
by eijimizugai
| 2008-09-09 03:56
| エッセイ
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